ホームページの制作会社や管理会社は変更できます。ただし、現在のURL・メール・サイトデータ・管理アカウントを誰が持っているか確認せずに契約を終了すると、移行に時間や追加費用がかかることがあります。
新しい制作会社を決める前に、何を自社が所有・管理していて、何を現在の会社が管理しているかを一覧にします。特にドメイン、DNS、メール、CMS、計測アカウントは「サイトの見た目」と別に扱います。
制作会社を変更する主な理由
- 更新依頼への対応が遅い
- 保守料金と作業内容が合わない
- SEOや運用改善まで相談したい
- 担当者と連絡が取れない
- サイトをリニューアルしたい
- 自社でドメイン・サーバーを管理したい
変更前に確認する10項目
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| ドメイン | 登録者・契約先、管理会社、移管可否 |
| DNS | どこで設定されているか、メール等のレコードも把握できるか |
| サーバー | 契約者、ログイン、移行方法 |
| サイトデータ | HTML、CMS、DB、画像等を受け取れるか |
| CMS | 管理者権限を自社が持っているか |
| メール | 独自ドメインメールの移行が必要か |
| Analytics | 自社Googleアカウントに必要な役割があるか |
| Search Console | 自社アカウントが所有者または必要な権限を持つか |
| 著作物 | 写真、文章、デザイン、素材の利用条件 |
| 契約 | 解約期限、違約金、データ提供・移管費用 |
ドメインはそのまま使える?
制作会社を変更しても、現在のドメインを継続利用できるケースは多くあります。ただし、実際の手続きはTLD、登録事業者、契約状態によって異なるため、「制作会社を変える=自動的にドメインも移る」と考えないようにします。
JPドメインについてJPRSは、登録済みドメインの管理指定事業者を変更できると案内しています。指定事業者変更には認証コード(AuthCode)が必要となる場合があり、変更ロックが設定されている場合は事前に解除が必要です。手続きに数日程度かかる場合もあるため、公開切替日の直前ではなく余裕を持って確認します。
登録者は誰か、現在の管理事業者はどこか、AuthCode等の移管情報を取得できるか、ロックの有無、更新期限はいつかを確認します。JP以外のドメインは契約しているレジストラの手順を確認してください。
DNSを変える前にメール設定を記録する
Webサーバーだけを移すつもりでも、DNS設定を不用意に上書きすると独自ドメインメールや外部サービスへ影響することがあります。切替前にA/AAAA、CNAMEだけでなく、MX、TXT、SPF・DKIM等を含む現在のDNSレコードを記録します。
メールを現在のサービスで継続する場合は、Webサーバー変更後も必要なメール関連レコードを維持します。DNSの変更担当者と、メールの管理担当者が別なら事前に役割をそろえておきます。
サーバーを変える場合の注意
サーバー移行では、ファイルだけでなくデータベース、フォーム、SSL、メール、DNS、バックアップなども確認します。WordPress等では、PHPやDBバージョン、プラグイン互換性もチェックします。
旧サーバーを先に解約せず、新環境で表示・フォーム・管理画面・主要機能を確認してから停止する方が安全です。DNS切替後も、利用環境によって反映まで差が出ることを想定して旧環境を一定期間残せるか確認します。
サイトデータを受け取れるか確認する
制作会社によって、サイトデータを納品する契約、サーバー上でのみ利用する契約、テンプレートや独自システムのため完全移管できない契約があります。
契約書・利用規約を確認し、以下を分けて聞きます。
- HTML/CSS/JavaScript
- CMS本体・テーマ
- データベース
- 画像・動画
- 原稿
- 有料フォント・素材・プラグイン
- フォームや外部サービス連携の設定
- リポジトリ・ビルド手順・デプロイ設定がある場合の引き継ぎ
Search Consoleの「所有者」と「ユーザー」を確認する
Google Search Consoleでは、所有者とユーザーで権限が異なります。Google公式では、所有者はユーザーの追加・削除や設定変更を含むプロパティの完全な管理権限を持つと案内しています。
制作会社のアカウントだけが所有者になっている場合は、契約終了前に自社側で管理できる状態へ整理します。「画面を見られる」だけでは、将来ほかの担当者へ権限を付与できない場合があります。
Google Analyticsも自社側の管理権限を確認する
Google Analyticsではアカウントまたはプロパティ単位で役割を付与できます。Google公式のアクセス管理では、管理者はユーザー追加・削除や役割の割り当てを含む管理権限を持ちます。
制作会社個人のGoogleアカウントだけで運用せず、自社が継続して使うアカウントへ必要な権限があるか確認します。広告タグやGoogleタグ、Tag Managerなどを利用している場合も、同じように「誰が管理者か」を棚卸しします。
制作会社変更の進め方
- 現在の契約・管理情報を棚卸しする
- ドメイン・DNS・メール・計測の所有者と権限を確認する
- 新しい制作会社へ現状を共有する
- 移行できないもの・再制作が必要なものを確認する
- 旧会社へ解約・データ提供・移管を依頼する
- 新環境へサイトを複製し、公開前テストを行う
- DNS・必要に応じてドメイン管理を切り替える
- フォーム、メール、Search Console、Analytics等を確認する
- 旧サーバー・旧アカウントを一定期間確認する
- 問題がないことを確認して不要な契約・権限を整理する
切替当日に確認するチェックリスト
| 確認箇所 | 確認内容 |
|---|---|
| 主要ページ | トップ、サービス、料金、問い合わせ等が正しく表示される |
| フォーム | 送信でき、通知メールと自動返信が必要に応じて届く |
| メール | 独自ドメインメールの送受信に問題がない |
| SSL | HTTPSで警告なく表示される |
| 画像・CSS・JS | 旧サーバー依存のURLが残っていない |
| リダイレクト | URL変更した重要ページが新URLへ移動する |
| 計測 | Analytics等でアクセスを受信できる |
| Search Console | 自社側でプロパティへアクセスできる |
リニューアルと同時に変更する場合
制作会社変更とサイトリニューアルを同時に行う場合、既存URLの扱いが重要です。検索流入のあるページを削除・URL変更するなら、必要に応じて301リダイレクトを設定します。
現在のURL一覧、Search Consoleで流入しているページ、外部リンクを受けている重要ページを先に保存し、移行後に対応関係を確認します。費用はホームページリニューアルの費用相場も確認してください。
旧制作会社への依頼例
契約終了予定のため、ドメイン管理情報、DNS設定、サーバー情報、サイトデータ一式、CMS管理者権限、Analytics・Search Console権限、利用中の有料素材・ライセンス、移管に必要な費用と手順をご案内ください。
注意したい状態
- ドメインの登録者・管理事業者が分からない
- DNSの現在値を誰も把握していない
- サーバーのログイン情報がない
- CMS管理者権限を持っていない
- 契約書にデータ引き渡し条件がない
- 独自ドメインメールの設定が不明
- Google計測が制作会社アカウントだけ
- 有料素材やプラグインのライセンス名義が不明
新しい制作会社を選ぶときに確認すること
移管後に同じ問題を繰り返さないため、ドメイン・データ・アカウントの所有関係を契約前に明確にします。ドメインは誰名義で契約するか、サイトデータは受け取れるか、Search ConsoleやAnalyticsは自社を管理者にできるか、解約時の移管費用はどうなるかまで確認してください。
詳しくはホームページ制作会社の選び方、日常更新を外部へ切り替えるだけならホームページ更新代行も参考にしてください。
まとめ
制作会社変更で重要なのは、サイトを作り直すことよりドメイン・データ・メール・管理権限を失わずに引き継ぐことです。
変更を決めたら、先に現状の所有・管理情報を棚卸しし、新旧会社の役割を決めてから解約手続きを進めます。特にドメインとGoogle系アカウントは、自社側で継続管理できる状態になっているかを契約終了前に確認してください。
