ホームページの文章は、小説や広告コピーのように「上手に書く」ことが目的ではありません。訪問者が、自分向けのサービスか、何をしてくれるか、いくらか、信頼できるか、次に何をすればよいかを理解できることが重要です。
誰向け → どんな悩み → 何を提供する → なぜ選ぶ → 料金 → 流れ → FAQ → 問い合わせ、の順に素材を整理すると書きやすくなります。
まず「誰向けのページか」を1文にする
「すべての方へ」では文章が抽象的になりやすいため、中心となる読者を決めます。年齢・性別だけではなく、どんな状況で、何を比較している人かまで考えます。
| 抽象的 | 具体化した例 |
|---|---|
| 店舗経営者の方へ | 更新する時間が取れず、料金や営業時間が古いままになっている小規模店舗向け |
| ホームページが必要な方へ | 開業したばかりで、まず必要な情報をそろえたサイトを公開したい個人事業主向け |
| 集客したい企業へ | 紹介だけに頼らず、検索からサービス内容を比較してもらいたいBtoB事業者向け |
読者像を狭くしすぎる必要はありません。「いま何に困っている人か」まで決めると、必要な説明と不要な説明を分けやすくなります。
サービスページの基本構成
| 順番 | 内容 | 読者の疑問 |
|---|---|---|
| 1 | 結論・サービス概要 | 何をしてくれる? |
| 2 | 対象者・悩み | 自分向け? |
| 3 | 提供内容 | 具体的に何をする? |
| 4 | 強み・違い | 他と何が違う? |
| 5 | 料金 | いくらかかる? |
| 6 | 利用の流れ | どう進む? |
| 7 | 実績・FAQ | 不安はない? |
| 8 | CTA | 次に何をする? |
ファーストビューでは「誰に何を」を先に伝える
最初の画面で、事業名だけ、抽象的なキャッチコピーだけにしないようにします。「誰に、何を提供しているか」が分かる説明を近くに置きます。
Before / After
| Before | After |
|---|---|
| 未来をデザインするWebパートナー | 小規模事業者向けに、ホームページの制作・公開・更新までまとめて対応 |
| あなたの想いをカタチに | 店舗の雰囲気とサービス内容が伝わる1ページサイトを、原稿整理から制作 |
| 高品質なサポートを提供します | 公開後の文章・写真変更も同じ窓口で受け付け、更新作業まで対応 |
抽象的な言葉を完全に使ってはいけないわけではありません。キャッチコピーの直後に具体的な説明を置き、何のサービスか分からない状態を避けます。
「安心・丁寧・高品質」を行動に置き換える
よく使われる形容詞は、そのままだと競合と差が付きにくく、利用者も確認できません。実際の仕組みや作業内容へ変換します。
| 抽象表現 | 具体化の例 |
|---|---|
| 丁寧に対応 | 制作前に目的・必要ページ・更新方法を確認してから着手 |
| 安心サポート | 公開後の文章・写真変更も同じ窓口で受付 |
| 高品質 | PC・スマホ表示、フォーム送信、主要リンクを公開前に確認 |
| スピーディー | 問い合わせ後の返信目安や、各工程の確認期限を実際の運用に合わせて明示 |
| 柔軟に対応 | 既存サイトの一部更新、ページ追加、全面改修を状況に応じて切り分け |
実際に提供していないことや、守れない期限・成果は書きません。
特徴ではなく「顧客にとっての意味」まで書く
機能名だけでは価値が伝わらない場合があります。「CMS対応」なら「自分でお知らせを更新できる」、「レスポンシブ対応」なら「スマートフォンでも読みやすい」のように、利用者側の意味を続けます。
| 機能・特徴 | 顧客にとっての意味 |
|---|---|
| CMS対応 | 営業時間やお知らせを、自社で更新できる範囲を作れる |
| レスポンシブ対応 | PCだけでなくスマートフォンでも読みやすく操作しやすい |
| アクセス解析設定 | 公開後にどのページが見られたかを確認して改善できる |
| 保守対応 | 公開して終わりではなく、技術更新や不具合時の相談先を持てる |
サービス説明は「何をするか」まで分解する
「ホームページ制作」「コンサルティング」「整体」などサービス名だけでは、提供範囲を判断できません。具体的な作業や進め方を書きます。
事業内容のヒアリング → 必要ページの整理 → 原稿素材の確認 → デザイン → スマートフォン対応 → フォーム確認 → 公開、のように、利用者が受ける内容を順番で示します。
料金は「金額」だけでなく条件を書く
料金表を載せられる場合は、税込・税別、含まれる作業、追加料金が発生する条件を明確にします。個別見積もりなら「何によって金額が変わるか」「見積もりまでの流れ」を書きます。
Before / After
| Before | After |
|---|---|
| 料金はお問い合わせください | ページ数・原稿作成・予約機能の有無で料金が変わるため、必要内容を確認して見積もります |
| 月額プラン 1万円〜 | 月額料金に含まれる更新範囲、追加作業の条件、最低利用期間を同じ場所で案内 |
| 追加料金が発生する場合があります | 新規ページ追加・撮影・大幅な機能変更など、追加料金になりやすい作業を具体的に案内 |
料金ページの構成はホームページ制作の費用相場や見積書の見方も参考にしてください。
利用の流れは「利用者がすること」も書く
「お問い合わせ → ヒアリング → ご提案 → 制作 → 確認 → 公開」のように工程を並べるだけでなく、各段階で利用者が何を用意・確認するかも添えます。
| 工程 | 提供側 | 利用者側 |
|---|---|---|
| ヒアリング | 目的・必要内容を確認 | 現在の課題、参考サイト、希望時期を共有 |
| 構成 | 必要ページ・導線を提案 | サービス内容・料金・事業情報を確認 |
| 制作 | デザイン・実装 | 写真・原稿の不足を補う |
| 確認 | 修正を反映 | 担当者がまとめてフィードバック |
| 公開 | 表示・フォーム等を確認して公開 | 問い合わせ受信や運用方法を確認 |
CTAは「お問い合わせ」以外も検討する
ページを読んだ人がすぐ契約するとは限りません。サービスの検討段階に合わせて、次の行動を用意します。
| 検討段階 | CTA例 |
|---|---|
| まず情報収集 | 料金を見る / 制作例を見る / FAQを確認する |
| 比較中 | 対応範囲を確認する / 見積もり条件を整理する |
| 相談したい | 相談する / 問い合わせる / 予約状況を確認する |
「今すぐ申し込む」など強いCTAを使う場合も、実際のサービスフローと一致させます。
見出しだけ読んでも内容が分かるようにする
Webページは上から一字一句読まれるとは限りません。「私たちについて」「特徴1」より、「小規模店舗の更新までまとめて対応」「料金変更は月額内の範囲で受付」のように、見出し自体に内容を持たせると流し読みでも理解しやすくなります。
1文を長くしすぎない
一つの文に複数の主張を詰め込むと読みづらくなります。主語と述語を近づけ、段落ごとに一つのテーマを扱います。専門用語を使う場合は、その言葉を知らない人でも意味を理解できる説明を添えます。
業種によって必要な文章は変わる
| 業種 | 優先したい説明 |
|---|---|
| 店舗・サロン | メニュー、料金、施術・サービスの流れ、営業時間、予約方法、初めての人向けFAQ |
| 士業・コンサル | 相談できる範囲、対象者、料金体系、進め方、プロフィール、守秘・対応範囲 |
| BtoB | 対応課題、提供範囲、導入プロセス、実績、社内稟議に必要な情報 |
| 制作・受託 | 成果物、対応範囲、費用の決まり方、納期、修正条件、公開後対応 |
同じ文章テンプレートを全業種へ当てはめるのではなく、問い合わせ前に確認される内容を優先します。
SEOでは検索語を詰め込まない
検索キーワードはページのテーマを決める材料として使います。タイトル・見出し・本文に不自然に繰り返すのではなく、その検索をした人が知りたい内容へきちんと答えることを優先します。キーワード選定はSEOキーワードの選び方をご覧ください。
AIで下書きを作るときの確認項目
AIを使うと文章作成は速くなりますが、一般的で事実確認できない表現が混ざることがあります。公開前に人が次を確認します。
- 実際に提供しているサービス内容と一致しているか
- 料金・納期・対応範囲を推測で書いていないか
- 「業界No.1」「必ず改善」など根拠のない強い表現がないか
- 競合サイトの表現をそのまま模倣していないか
- 自社固有の事例・FAQ・対応条件が入っているか
- 読者が次に何をすればよいか分かるか
AIに文章を長くさせること自体を目的にせず、実際の事業情報を整理する補助として使います。
文章を書く前に集める素材
- 顧客からよく聞かれる質問
- 依頼前によくある悩み
- 実際のサービス内容
- 料金・追加料金条件
- 利用・制作の流れ
- 実績・事例
- 対応できること / できないこと
- 写真・図解
公開前チェック
- 誰向けか分かるか
- 何をしてくれるか具体的か
- 抽象語だけで強みを説明していないか
- 料金または価格の決まり方が分かるか
- 問い合わせ前の不安に答えているか
- 利用者が準備することも分かるか
- 次の行動が分かるか
- 古い情報や誇張表現がないか
まとめ
ホームページの文章は、魅力的な言い回しよりも、読者が必要な情報を順番に理解できることが重要です。誰向けかを決め、サービス内容・違い・料金・流れ・FAQを具体化し、最後に問い合わせなど次の行動へつなげます。
迷ったときは「抽象語を増やす」のではなく、実際に何をするか、どんな条件か、利用者は何を準備するかを追加してください。それが結果的にサービス固有の文章になります。
